10代のころから美容室に勤め、そろそろ何か新しいことにチャレンジしたいと思ってお店を辞めたとき、お客様だった小畑社長に「BaobaQuで販売のバイトをしない?」と声をかけられました。それが、私とバスコの出会いです。美容師として、ヘアスタイルの延長で似合いそうなお洋服を提案することもあったため、お客様をトータルコーディネートできるのは素直に楽しそうだと感じました。それに、小畑社長が着ているバスコのお洋服がいつも素敵で、そのエイジレスな雰囲気に惹かれていたことも、入社のきっかけになったと思います。
販売員は予想していたとおり、美容室で鍛えた接客スキルをちゃんと活かせる仕事でした。ただ、大変だったのは商品を覚えること。バスコは商品の量が多いうえにすべて個別の名前がついており、素材にもこだわっているため、それぞれの情報を頭に入れていくのに少し時間がかかりました。お客様にご提案する以上、いままで知らなかった生地や縫製について学び、ちゃんと説明できるようにならないといけません。スタッフみんなの知識レベルが高いことにも、最初はとても驚きました。
アパレルの接客は、お客様の生活に寄り添ってお話を聞くことだなと感じます。美容室では、意外とじっくり会話する時間はなく、プライベートに踏み込んだ質問は基本的にしません。でも、お洋服をご提案するということは、お客様のライフスタイルを知らなければできないこと。「忙しいけどおしゃれがしたい、アイロンをかけなくていいお洋服はある?」「肌が弱いから、綿しか着られないんです」といったお悩みを伺って、ベストなご提案をするのが私たちの仕事です。バスコはとことんよいものづくりにこだわっているブランドなので、そうしたお客様の助けになるお洋服も多く、お役に立てる喜びがあるんですよね。もちろん、最近どんなことがあったのかなんて他愛ないお話をするのも、お客様との楽しい時間です。
Interview
お客様に寄り添って、バスコの良さを届けたい。
そのために目指すのは、
私たちらしい「味のあるお店」
店舗 BaobaQu店長 / 原 麻理
お客様のライフスタイルに寄り添うのが、私の接客
自分たちなりのアイディアで、お店の“味”を出していく
販売員のバイトとして3ヶ月ほど働いたのち、店長が産休に入ったため、なんとその後任を私が務めることに。以降は接客だけでなく、店舗管理やセレクト商品のバイイング、SNS運用なども担当するようになりました。最初はそんなに長く働かないだろうと思っていたのに、スタッフとともにお互いを高め合いながらお店を動かしていくのがすごく楽しくて、気づけばもう5年も働いています。
お客様に少しでもバスコの良さを知っていただき、売上を伸ばすために工夫を凝らすのは、難しいけれどとても面白いことです。何をどのように売るか、いつ出すかを変えてみるだけで、お客様の動きは大きく変わります。人の流れやニーズをうまくつかみとれれば、一日で何百万もの成果が出せるんです。しかも、やりたいと思ったことは何でも挑戦させてもらえる会社にいるからこそ、ちゃんと自分たちの頭で戦略を考えて、実践していかなければなりません。
そのためにもいま「BaobaQu」が大切にしているのは、私たちの店舗でしかやれないことをやる、ということ。全店で同じ施策をしていても面白くないし、自分たちなりのアイディアを活かして、お客様に喜んでもらいたいんです。いま働いているスタッフがみんな、同じことをずっとやりたくない飽き性だってことも関係あるかもしれません。だから自然と、新しいことを求めちゃう。でも、それぞれが個性を発揮して楽しく、肩の力を抜きながら働いて、それがお店の“味”になったら一番いいですよね。
お客様と出会う新たな接点を、いつも考えている
お客様にバスコを知ってもらうアイディアのひとつは、店頭で扱うセレクト雑貨です。センスのいい小物は、通りかかった新規のお客様がお店に入るきっかけになるもの。バスコのアパレルは高級なイメージがあるため、まずは手が届く価格帯の商品で、お店を身近に感じていただくことが大切なんですね。だから海外出張にも行って、ほかのお店では買えないものやバスコに通じる個性があるものを、さまざまなお店から仕入れます。人気があるのはブローチやピアス。こうした小物から来店頻度が上がり、セールでお洋服を試してみたお客様が、次から正規価格でお買い物をしてくださるようになるケースも、じつはめずらしくありません。「買えば良さがわかる」品物を扱っているからこそ、その入口となる店舗や販売員がポイントになるんです。
そのほか喜んでいただけた施策は、サンプルセール。バスコは一着の洋服を仕上げるまでに、複数のサンプルを制作しています。昔はお客様がいつでもサンプルを安く買えるように、店内にずっと専用ラックが置いてありました。でも、なんとなく店頭に出し続けているとなんだか商品が魅力的に見えないし、手に取るお客様も増えません。そこで、一度すべてのサンプルを下げ、一週間限定のサンプルセールを実施したところ、ぐっと反応がよくなった。同じものでも、見せ方や提案次第でこんなにもお客様の反応が変わるのかと、店頭販売という仕事の奥深さをあらためて痛感しました。
去年は京都伊勢丹にポップアップショップも出して、土地が変わると訪れるお客様の雰囲気が変わることを実感しました。そんなインスピレーションを福岡に持ち帰れば、また新しいチャレンジが生まれるはず。BaobaQuはいま、売上やスタッフのチームワークも安定していて、とてもいい状態にあります。だからこそ、次のステップに進みたい。より多くのお客様と関われる機会をどんどん増やして、バスコを盛り上げていきたいです。